そのときが来たらわかる
生まれて初めてプリキュアを見た。おそらく再放送なのだが、オリジナルのプリキュアが2人いて闘っていて、そこに新しく3人目が加わる回だった。3人目の子はオリメンの友達なのだが、彼女らがプリキュアだということをその日初めて知る。驚いてる間にどういうわけかその子も流れで変身することになる。
わたしはそのシーンでドキドキしてしまった。なぜなら初めて変身するのだから、決め台詞の言い方とか道具の使い方とか、知らないじゃない。知らないことを突然やらされるときの緊張である。大丈夫か!?やれるのか!?
わたしの心配をよそに、3人目の子は難なく道具を使いこなし、決め台詞も叫び、無事プリキュアになったのであった。
わたしはえらく感心してしまった。
これってひょっとして、そのときが来たらわかるタイプのことなのか?子どもの頃わからないことを親に聞きまくって、「大人になればわかる」「そのときが来ればわかるから心配ない」みたいな回答をされたことを思い出した。プリキュアになる方法はプリキュアになるときが来れば分かるのかな。
それかもしくは、やり方がわからないことにも怯まず挑戦する度胸を持った者だけがプリキュアになることができるのか?
そうだとしたらはわたしは無理だと思った。だって、初めてのことは事前に調べて頭の中でデモンストレーションしてからじゃないと覚悟決められないんだもん。
内省により落ち込んだ。
ほ?なんで初めて見たのにプリキュアになることを真剣に検討してるんだ。不必要に落ち込んでしまったではないか。しかしこれがプリキュアの魅力ってやつか?
まあいいや。とりあえず次の週のも見たけど、めっちゃよかったから来週も見る。
リュックの底にピノが落ちていた。そんなことあるのか。あるんだよ、わたしがやったんだよ。買ってきたのは昨日で、冷凍庫に入れ忘れたまま1日経っていたのだった。ピノは外側がチョコで包まれているので、溶けるとしてもチョコの中に収まったまま溶けているんじゃないか、そうであってくれと思って、期待をこめて冷凍庫に入れてみる。
後で開封したら期待ははずれ、しっかり溶けていた。きちんとピノ6つ分収まるように窪みがついたプラスチックのトレイ、その中に何かがあった。何というか、水溜り?ピノ溜り?悲しみに暮れつつスプーンで掬って食べた。あっという間になくなった。ピノ6つ食べたはずなのに、形としては一塊になっていたから6つ食べた気がしなくて、しかも一般的な、スプーンで食べるタイプのアイスより圧倒的にピノ溜まりは量が少なかった。もっと食べたい!と思った。
冷蔵庫を開けるとキウイがあった。「えっキウイがある!すごい!」と喜んで一瞬で食べた。後で思ったけど、わたしがキウイを買ったからわたしの冷蔵庫にキウイがあったんだよな。わたしの部屋で起こることはだいたいわたしが起こしていることだということを思い出す。一人暮らしが長いのに、未だに新鮮な驚きがある。
思えば暮らし全てがそうだ。もう何年も生きてるのに、日々新鮮な驚きがある。そういう意味では、わたしは楽しく生きているし多分これからもそうやって暮らしていくんだろうな。