ものはためし

書く訓練、備忘録

2016-01-01から1年間の記事一覧

夜空

帰省した。駅からバスに乗る時間しか伝えていなかったのでいつ着くか分からなかったはずなのに、バス停まで母が迎えにきてくれていた。一緒に家まで歩いた。今日は星がきれいだよと教えてくれたが、それはおそらく母が星好きというよりも、私が星好きなのを…

徒然

今日外を歩いていたら自転車に乗った人が大声で歌いながら通り過ぎて行った。とても楽しそうだったのでなんだかこっちまで嬉しくなった。 一般的に、大声を出しながら移動するのはお行儀が悪いことだったりする。だから、それを見てどう思うかはその時の自分…

わるいひと

自分にとっていいことが他人にとってもいいこととは限らず、また同様に自分にとって悪いことが他人にとっても悪いこととは限らない。しかし自分にも他人にもいいことや悪いことはある。つまり色々なのだ。このことをよく分かっているはずなのに、未だに違和…

かかわるこころ

ある人が散髪に行った。そこで美容師に、普段何のシャンプーを使っているか尋ねられたが、覚えておらず答えられなかったという。美容師は驚いて「自分が使っているシャンプーを覚えていないなんて信じられない」という内容のことを彼に言ったらしい。じゃぁ…

さようなりませんが

たまに電車に乗ると楽しい。全くばらばらな人々の「気」を吸いこむ。かなりエネルギーを使うけれど、それは後で考え事をするための種を集める作業だ。 不思議なことに、電車には必ずきれいな女性が乗っている。きれいな女性が着ているコートを眺めながら、今…

生きる

外に出て日向ぼっこをしていたけれど、雲が多くて次第に身体が冷えた。ぼーっとして勉強が手につかないので携帯をいじっていたら急に充電が切れそうになった。60%からいきなり20%を切るなんて、私のiPhoneもそろそろ寿命なのかもしれない。 寿命といえば、明…

考えすぎを考える

電気をつけたまま寝落ちしていたけれど、起きたときに太陽の光で部屋が明るかったのでそのことにしばらく気づかなかった。 このことが何を表しているか考えた。例えば幸せとか。同じ電気がついていても、外の明るさによって体感が違うように、同じ出来事でも…

熊を愛す

「テディベアを愛する自分を愛していたのかも」と姉が言った。子供の頃持っていたテディベアの話だ。姉は何歳かの誕生日に親からもらったテディベアを「ティース」と名付けて可愛がっていた。その名前には確か意味があったはずだが忘れた。わたしは姉が羨ま…

アイディアちゃん

ある秋の週末、私は親戚の2歳児と遊んでいた。 「ちょうだいどうぞゲーム」をした。落ちているどんぐりを広い集めて、「どうぞ」と渡してくれる。私は「ありがとう」と言ってそれを受け取る。しばらくするとこちらに手を伸ばしてくるので、今度は私が彼女に…

シャッターチャンス

「これから始まる夜のうちでは今が一番明るいよ」とその人は言った。夕暮れ時に屋外で記念写真を撮ろうとしたらすでにだいぶ暗くなっていて、明るいうちに撮っとけばよかったね、もう暗いからだめだね、と諦めかけたわたしに対して。なるほど、そういう考え…

朝との遭遇

夜更かししてDVDを観ていたら5時頃になった。電気を消して目をつぶって、扇風機がぶうんぶうん唸っているのを聴いていた。なんだこれは、やかましいぞ。ただのモーターの音というよりか、鼓動のような、地鳴りのような響きだった。ああこの音をメモしておこ…

晴れの国へ

帰省するときは必ず、下宿の部屋を可能な限りきれいにして出て行くと決めている。戻ったときにあまりの汚さに失望して、また実家に帰りたくなるのを防ぐためだ。それで電車の時間ギリギリまで部屋を片付けているので、いつもバタバタする。 今回もやはりギリ…

滑る箱に乗って

週末、1人ですこし遠くまで出かけた。電車で遠出することは滅多にないから、何もかもが新鮮だった。窓の外や車内広告を眺めたりアナウンスを聞いたりするだけで楽しい。きょろきょろしすぎて怪しまれないように気をつけなければならなかった。 昔の知り合い…

新しい服とちょろりん

新しく買ったお気に入りの服を着て学校に行ったけれど、色々と面倒になったので午後の授業をさぼって本を読んでいた。海の向こうの街まで見渡せて、風がよく通る石の段々に座って。 小さくてきれいなとかげが前を横切った。尻尾が青くきらっと光っている。私…

誰の目からどこへ矢印が向かっていようと

心臓が痛い。厳密にいうと、痛いのは胸の右側だから、心臓ではない。いや、どうだろう。心臓が胸の左側にあるというのは間違いだと聞いたことがある。真ん中にあるけれど、左側に少し出っぱっているので、左に寄っている感じがするとか、そんなところだった…

バンザイ

バンザイのポーズをして寝るのが好きだ。よく小さい子供がやっているイメージだが、私の場合小さい頃からの癖というわけではない。高校生くらいまでは非バンザイポーズで寝ていた。それがある時ふと「小さい子供はバンザイなんかしてよく眠れるな、一体どん…

青みがかった灰色のとき

雨だ。目が覚めたらお昼だった。また午前の授業を休んでしまった。今日も、朝がなかったな。午後の授業には行かなければ。気持ちは急いても身体がゆっくりしか動かない。階段をのろのろおりて門を開ける。 2つの笑い声が近づいてきた。見ると、肩車をした親…

10年前の日記を今書く

梅雨の夕方。キッチンの上だけ電気がついていて、部屋の残りの部分は、うす暗い。大きな食卓にひじをつくと、湿気で少しぺたっとなる。いすからぴょんと降り立って、これまた湿気を帯びている床を、はだしで歩く。わたしはお母さんに玉ねぎを炒めさせてもら…

はなしのはなし

なんだか、新しい歯が生えてきそうな感じがする。親知らずはないから、なにも生えてくるはずはないのだけれど。 親知らずがないというのは、生まれつきではない。高校3年生の秋に、親知らずを抜いた。1本抜いて、2.3週間あけてまた1本、というように、最短期…

上から下へ

突然「走らないか」と誘われたので、深夜に走ってきた。海を目指して。 ゆるいペースで走っていたが、案外すぐ海まで行けた。おしゃべりしながらだったというのもあるし、下りだったからというのもある。 風をきって走るのは気持ちよかった。それ以上に、深…

人間のしっぽ

長い文章が書けない。まだそんなに書いていないけれど、ここまで毎回そのことに触れてきた。書きすぎた。長い文章が書けないということについて長々と書くこの矛盾。しかし、このブログを始めたきっかけが、「長い文章を書く訓練をしなければ」と思ったこと…

出てくるものを書きとめるだけの、簡単なお仕事です

最近、ひたすら何かを書いている。書くことに理由や目的はない。誰かに何かを伝えたいとか、自分の文章を評価されたいとか、後で読んで元気が出るとかいうのは、全部後付けの理由だ。思いつくから、書いている。 私はよく詩を書く。その詩を読んだ人から、歌…

パッチワーク

色々なことであたまがいっぱいになったので、とりあえず冷凍庫に入っていたアイスを食べた。食べ終わる頃にはお腹が冷え、自分はもともとお腹が弱いということを今更思い出す。後悔先に立たず。 すぐに温かいものを飲めばよくなるだろうか。急いでやかんに水…