ものはためし

書く訓練、備忘録

15分の過ごし方

試験を受けた。集合時間が試験開始時間よりかなり早く、その間何をするのかと思ったが特に何もしなかった。つまり、着席して説明があって問題が配られたあと試験開始まで15分ほど待たされた。

問題を解き始めてはいけないし、かといって立ち上がってトイレに行ったり隣の人と会話したりもできない、ただ皆が前を向いて座り、緊張して息をするだけの時間。試験官を見るとあちらもこういう空気に慣れておらず緊張している様子が伝わる。

今までの勉強について考えた。半年ほど毎日勉強したが、一瞬に感じたこと。試験もたくさん受けたがもうこれが最後であること。大学受験のときを思い出すと今回もっと頑張れた気がするがこれで良かっただろうか、など。

時計を見ると5分しか経っていなかった。

次は、今までの辛かったことを考えた。高校の部活で試合中に怪我をしたときのこと。身近な人たちが揉めたが自分は何もできなかったこと。歩けなくなったときのことなど。こうして時間さえあれば過去の出来事を反芻する癖も、私なりの乗り越え方である。そうやってそれぞれ乗り越えてきたわけだし、これから起こることもきっと乗り越えられるだろうと思った。今座っている席、エアコンの風が直撃してめちゃくちゃに寒くて凍えそうだが多分これも乗り超えられるだろう、とか。

時計を見るとまた5分しか経っていなかった。あと5分もある。みんなじっと座ってるけど何考えてるんかしら。

未来のことを考えた。まだ決まっていないが私は来年の今頃どんな仕事をしているのだろう。どこに住んでいるだろう。今よりもいい部屋を借りて住みたい。南向きの日当たりがよい部屋で、ベランダが広い方がいいな。お風呂も広くてきれいなのがいい。けれど初めからいい暮らしができるわけがないし、最初はボロい部屋に住むかもしれない。

新しい人間関係が構築されるだろうか。今まで会ったことのないような人たちに出会って刺激的な日々を送るだろうか。面白い人に会いたい。私も面白いと思われたい。ああ、色々と楽しみに

試験官「はじめ」