ものはためし

書く訓練、備忘録

‪近所の池の周りを散歩していたら、う がいた。う だけがいた。私は思わず「うだ!」と言った。そして、う が水に潜っては魚を捕まえるのを10分くらい眺めていた。‬

‪昔、その池にはよく鷺がいた。青鷺という名前だけど本当は灰色の鷺と、白鷺という名前で本当に真っ白の鷺と、二種類。鷺は人間の叫び声に似た、ぎゃーっという鳴き方をする。頭を前後に揺らしながら慎重に歩く。私は幼い頃鷺の歩き方を上手に真似て家族を笑わせた。‬
‪そのうちなぜか青鷺はいなくなり白鷺だけになった。しらない人が白鷺を見て、鶴と間違えることがあった。鶴がこんなただの池にいるわけがないと、大人たちは笑った。私はたしかに鶴が綺麗で珍しいのは知っていたが、白鷺も綺麗だと思っていたので、なぜ鶴と鷺の格がそこまで違っているのかいつも疑問に感じていた。しかしそんな白鷺もいつの間にか姿を消した。‬
‪前見た時には鴨がいた。そして今、鴨はおらず、ただ鵜が一羽、ぷかぷかと水に潜っていた。鵜を見たことはあるからすぐに鵜と分かったけれど、その池で見るのは初めてだった。‬

鳥がいなくなったり新しくやってきたりするのがいいことか悪いことか、私には分からない。渡り鳥は季節によって移動するからいたりいなかったりするのは自然だし、他の生態系の変化のせいかもしれない。人だって、色々理由があって行ったり来たりするんだから鳥も色々あるんだろう。

 

最初、鵜のことを平仮名で「う」と書いたけれど、平仮名でただ一文字というのは本当に間が抜けて見えるから面白い。私は鵜が泳いでいるのを見て、「う が泳いでいる!」と思い、後で、「う が泳いでいたな」と思い、絵にしてみた。(わりと真面目に。)

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 絵を書き終わった時に日付を入れようと思って、勘で書いてからカレンダーで確認したら、2日も前の日付だった。毎日毎日、早く時間が過ぎろと思いながら暮らしているのに、いざ時が経っているのを実感したらすこし寂しいものだから不思議だ。では一体どうしたらいいのだろ鵜。