ものはためし

書く訓練、備忘録

かかわるこころ

ある人が散髪に行った。そこで美容師に、普段何のシャンプーを使っているか尋ねられたが、覚えておらず答えられなかったという。美容師は驚いて「自分が使っているシャンプーを覚えていないなんて信じられない」という内容のことを彼に言ったらしい。じゃぁ、と彼は思った。あなたはいつも使っている銀行のATMがどのメーカーのものか知っているのか、と。

なぜそんなことを思うのかというと、その人はATMの販売の仕事をしているからだ。美容師がシャンプーの種類を知っているのと同様に、彼はATMの種類を知っている。一般的にはATMの種類よりも、シャンプーの種類を知っている人の方が多いとは思うが、ここではそのどちらが多いとか少ないとか、いいとか悪いとかそういう話ではない。

何かに関心があるということは、何かに関心がないということでもあると思う。自分が何に関心を持っているかは分かりやすいけれど、何に関心を持っていないかはなかなか気づかない。それはおそらく、何に関心がないかということ自体に関心がないからだ。

 

ところで、関心がないところから関心を持ち始めるというのは、一体どういう心の動きなんだろう。人に関心を持たせるだけのパワーが自分にあるといいのにと思う。